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4時間離床すると嚥下機能を維持できる

離床時間と筋肉量

65歳以上の要介護高齢者90例を対象に離床時間と全身の筋肉量および摂食嚥下機能の関係を検討する横断研究を実施。
その結果、離床は摂食嚥下リハビリテーション(以下、リハビリ)として有効であり、
4時間以上の離床では摂食嚥下機能が保たれ、さらに6時間以上で全身の筋肉量が保たれることが示された。(東京医科歯科大)

最低4時間の離床で嚥下機能維持

飲み込むことと全身の筋力

摂食嚥下機能は、口腔周囲の摂食嚥下関連筋群だけでなく、背筋など体幹の筋肉量や筋力と関連することが知られている。
健常高齢者では、運動により体幹の筋肉や摂食嚥下関連筋群の機能低下を防ぐことが嚥下障害の予防と改善に役立つ。
しかし、日常生活動作(ADL)が低下した高齢者は、摂食嚥下機能を維持するための運動を行うことが困難であり、
看護師やリハビリ・介護職員の介助により身体を動かす機会も限られる。

摂食嚥下リハビリテーション学分野の戸原 玄教授談

「ADLが低下している要介護高齢者に対する摂食嚥下リハビリとして、離床の有効性が示された。
具体的な目標設定としては、離床時間が0~4時間では車椅子上で食事を取ること、4~6時間では食事や生活動作以外の余暇時間も車椅子上で過ごすことなどが挙げられる」と結論。

重力を味方に

口から物を食べることにはたくさんの筋肉が関与する。
身体を起こし、足、胴体で支え、重力に逆らい姿勢保持して体幹(コア)の筋肉を働かせる。
上顎の歯列を水平に保つように頭を立て、指、手、腕を使って食物をつかみ、口まで運ぶ。
顔面の筋肉で食物がこぼれぬように口を、頬をすぼめ、
上下の歯を道具に咀嚼筋(咬筋、側頭筋、顎の動きに関係する翼突筋郡、舌骨上筋群)を使い、下顎は、長楕円形のチューイングサークルを描きながら食物を切断し細かく砕く。
下顎骨は、両端に関節を持つ特殊な構造だ。ただ開閉の蝶板運動をするだけではない。
翼突筋郡に引かれ、顎関節窩内で、関節円盤を伴って前下内方にスライドして動く。
口腔内では、唾液で食物を濡らし、舌を使い塊にする。食塊を舌の背で口の奥に運ぶ、舌筋郡、頬筋などを使う。
喉の奥の口蓋や咽頭の周囲の筋群、食べ物を気管に入れないように甲状舌骨筋が喉頭蓋を閉じ、食道から胃に送る。
食事、嚥下することは動物の生命活動の基本。
実に巧みに多くの筋肉郡が連動して働く。
筋肉運動だけではない。食事は、味覚、触覚、温冷感覚を脳に伝える。
食事は五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を全て使い、全脳神経(Ⅰ 嗅神経、Ⅱ 視神経、Ⅲ 動眼神経、Ⅳ 滑車神経 、Ⅴ 三叉神経、Ⅶ 顔面神経、Ⅷ 内耳神経 、Ⅸ 舌咽神経、Ⅹ 迷走神経、ⅩⅠ 副神経、ⅩⅡ 舌下神経)が関与する。
つまり脳の運動野、感覚野が共調して作動する。
それらの情報は、阿頼耶識に蔵される…おっと、脱線。
ちょっと忘れていてはいけなかったのだけど、嚥下と姿勢保持の関連、その大切さを再認識した。

 

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