スウェーデンUppsala大学のGabriel Baldanzi氏らの研究では、SCAPIS研究のデータを用いて、加速度センサーで測定された身体活動レベルと腸内細菌叢の違いに関する横断研究が行われました。この研究では、安静時間の長い人に比べて活動量の多い人は、腸内細菌叢において大腸菌が少なく、酪酸産生菌が多いなど、特定の細菌の割合に違いが見られました。 具体的な分析結果では、安静な生活習慣が多い人は、腸内細菌叢のα多様性が低く、特定の細菌種が優勢であることが観察されました。一方、中強度および高強度の運動が多い人は、腸内細菌叢のα多様性が高く、異なる種類の細菌が均衡していることが示されました。 腸内細菌叢の組成に関する具体的な例では、安静な生活習慣が多い人ではE. coliが増加し、中強度および高強度の運動が多い人ではE. coliが減少する傾向が見られました。また、特定の酪酸酸性菌も運動量と相関があり、身体活動レベルが腸内細菌叢の組成に影響を与えていることが示唆されました。 この研究によれば、身体活動レベルが高い人と安静な生活習慣が多い人では、腸内細菌叢の組成において異なる優勢な細菌が存在し、これが健康に対する影響を考える上で重要な要因である可能性が示唆されました。( 日経メディカル ) --- 腸内細菌叢の影響をうける身体 腸内細菌叢がバランスを欠いた場合、精神的な健康に悪影響を与える可能性がある。腸内細菌と脳との相互作用は、情動、ストレス応答、記憶などに関与していると言われている。腸内細菌叢の不均衡が炎症を引き起こし、これが神経伝達物質のバランスに影響を与え、結果として行動に変化をもたらすことがあるそうだ。 逆も真で、運動すると腸内細菌叢が変わること、その相互性は興味深い。運動量増やさないとね。