ポズナン医科大学の研究チームは、フッ素と同等の虫歯予防効果を持つ可能性があるハイドロキシアパタイト入りの歯磨き粉について報告した。ハイドロキシアパタイトは歯の主成分であり、安全性が高く、過剰摂取によるフッ素症(歯のエナメル質の変色や損傷)のリスクもない。チームは18ヶ月の臨床試験を行い、ハイドロキシアパタイト入りとフッ素入りの歯磨き粉を比較した。結果、虫歯が増えなかった人の割合は、ハイドロキシアパタイト群が89.3%、フッ素群が87.4%と、両者の効果はほぼ同程度であった。 ただし、フッ素に対する安全性の懸念からハイドロキシアパタイトを選ぶ人が増える可能性がある一方で、ハイドロキシアパタイト入りの歯磨き粉はフッ素入りのものより高価で、重症の虫歯に対する効果はまだ確認されていない。なお、米南カリフォルニア大学の教授はフッ素の使用が「虫歯の進行を抑制する最も低コストの方法」であると述べている。しかし、ノースウェル・ヘルスの歯科医は、特にフッ素を避けたい人々にとって、ハイドロキシアパタイトが理想的な選択肢となる可能性を示唆した。( メディカルトリビューン ) ニュースとしては、えっ、これってニュース?という感じ。 日本では、再石灰化を謳ったハイドロキシアパタイト入りの歯磨き粉は、数多く売られている。フッ素は、ハイドロキシ(OH - )の水酸基をフッ素(F - )と置き換えてフルオアパタイトとなり、歯の表面の構造を強化すると教わっている。