痩せこけ犬
あの当時は痩せこけていた、思い出しただけで胃がきゅんとなり、鉛でも飲み込んだ気分になった。今となっては痩せていたと周りにいうだけで、またまた?という感じだが。
その当時のことを忘れてしまったのでも、気にしなくなったのではない。記憶は鮮明にあり(逆によく思い出せる)、教訓というか今の自分の糧となった。あのことが無ければ、延々と同じことを繰り返していたかもしれない。
その当時のことを忘れてしまったのでも、気にしなくなったのではない。記憶は鮮明にあり(逆によく思い出せる)、教訓というか今の自分の糧となった。あのことが無ければ、延々と同じことを繰り返していたかもしれない。
ロングツーリング
自証分を見出そうとしたのは、バイクで竜飛崎まで600km、仕事を終えた後、ロングツーリングに出かけた時だ。出発直後、後ろのタイアに釘が刺さりパンクし、出鼻をくじかれたが、丁度、バイク屋の前だった。このパンクが無ければ、行きから相当飛ばしていた、多分。
安達太良PAで小休止した後は、バーストは無いと勝手に踏んで飛ばした。
高速道路のつなぎ目は、高速だからとバネを少し締めたせいか後ろが少しだけ跳ね気味で、
タイヤ半分ぐらい外側に飛ばされる。(荷物も積んでいるし、リアヘビー)
早くバイクを寝かせるために、ほんの僅かにハンドルをコーナーと逆向きに押す。
すっと倒れてくれるけど、前輪も跳ねて暴れてくるようならやめておく。
ホンダはもうついてこない。カワサキはしっかりついてくる。
同行のカワサキ900とホンダ750からなんでそんなに飛ばすと聞かれたが、
新調したチタンマフラーを焼いているんだよと笑って答えた。
こちらは、証自証分の実践中なので、危険な状況はしっかりと把握しつつもそれに付随する恐怖感に乏しいので、怖くないというより、内観の静けさに集中していた。
通勤途中の車の中も相当いい感じだが、バイクもヘルメットの閉塞感と生身で高速移動している実感が相まって、なんとも乙だ、これが。
竜飛から戻ると胃が痛くなる事をかなりすっきりと整理というか、受け入れることができた気がした。
もうその事で思い悩むことはなかった。
なるべくして成ったと腑に落ちた。