こどもの頃、食べたもの
NHKの朝ドラ、カムカムエブリバディで回転焼き屋が出てきた。懐かしい。私の地元では、回転焼きでも大判焼きでも今川焼きでもなく、まぎれもなく昭和焼きだ。
こどもの頃、芋甚の昭和焼きをよく食べた。
根津権現の縁日のベビーカステラやたまに浮気してたいやきも食べたが、やっぱり昭和焼き。皮がパリッとした昭和焼きだった。
たいやきなら、四谷か麻布十番が好み。
芋甚は、モナカアイスもさっぱりとして美味しい。
まだ、貸本屋さん、「なかよし文庫」だったかがあった頃の話。
駄菓子屋
我々は、権現の裏門と呼んでいたが、本当は表門。すぐ前にあった駄菓子屋もよく行った。狭い店に駄菓子やおもちゃ。糸の先に大きさが異なる飴がついていた、くじ式の飴。透明な黄緑色のプラスチッキーな水てっぽうや銀玉てっぽう。指につけてこすると煙が出る忍者グッズ。小さな黒い円柱に火をつけるとにょろにょろと出てくるへび花火。舌が真っ赤になる梅ジャムをふわふわせんべいになびって食べる。太いストローに入った凄い色した寒天菓子。枯れ枝にしか見えないニッキ、噛んで味わう。懐かしい。
ドンキホーテなんてもんじやない、圧縮陳列だった。
長じてあの辺り、八重垣町は、花街だったと聞くと、
なんとなく長屋の風景を思い出す。
根津小近くの「こわれせんべい」もよく食べた。
50円だったか80円だったかでたくさん入っていた。
ジャンクなお好み焼きは、団子坂上の駄菓子屋さんだ。
ちょっと気取って自分で焼いた。
汐見坂を抜けて小学校の裏門、鴎外図書館の先だ。
究極のお団子屋さん
でも、絶品は、今はなき、根津のお団子屋さんのみたらし団子。
ここのお団子で育ったので、他のどのお団子を食べても満足できない。
たしか、屋号は「大黒屋」さんだったと思う。姉の友達の家だったから名字は分かる。
端午の節句の時期になると、みそ餡の柏餅が出る。最高においしい。
この時にしか食べられない。母にせがんでよく買ってもらった。
こし餡の柏餅は、柏の葉の表でくるまれ、みそ餡は、葉の裏でくるまれていた。
だから中身を間違えることはなく、みそ餡からいった。
ここの水ようかんも至高だ。ほんのわずかだと思うけど、塩味があって甘さを引き立てた。とろけるでもない絶妙な抵抗感ある歯触り、舌触り、
なにものにも代えがたい。
こどもの頃の味覚が刻まれている。
インプリンティング
山ぎしのうなぎ、磯貝のいなりずしやかんぴょう巻、等々。
そば屋「まる安」のラーメンも好きだった。
後に家内と水道橋の評判のうなぎ屋に行ったけど、たれがしょっぱいと感じた。
私は甘い山ぎしのたれが好みなんだ。
あと、新しいところで、千駄木駅まえの大学芋屋さん、まだあるのだろうか。
家内に言わせると私はバカ舌みたいだけど、
懐かしい味はしっかりと刻み込まれている。