黄色いバラの花言葉は嫉妬
荒川弘さんの『鋼の錬金術師』、好きなテレビアニメだ。ゲーテの「ファウスト」第二部に出てくるガラスの中の小人として、ヨーロッパでは、錬金術で人工的に創らた人間をホムンクルスと呼ぶ。
このアニメのガラスの中の小人、ホムンクルスは、国王を騙してガラスの代わりに人間の器を得た後、自分の感情を切り離し、真理の扉を開け、神を吸収し「完全な存在」になりたかった。
ホムンクルスは神になるために自分の感情、「傲慢」「色欲」「強欲」「怠惰」「嫉妬」「暴食」「憤怒」を切り離し、それぞれ人工的に生命体、ホムンクルスを創った。
その創ったホムンクルスたちに、お父様と呼ばせていた。
その内の一体が「嫉妬のエンヴィー」だ。
エンヴィーの役割は、お父様の計画、国中の人の命を利用して、国土を錬成陣として使う国家錬金術で真理の扉をあけて「完全な存在」になること、その計画を邪魔をするものを排除することだ。
エンヴィーの能力は、変幻自在、何にでも自分の身体を変えられる。
敵地に入っては、中の人物になりすまし、欺いて情報を引き出す。
そのお父様の計画を知った将校を殺害する時、彼の愛する妻に化けて、どうにもできない状態に追い込んで殺した。将校は、エンヴィーが化けた偽者の妻とわかっていても、愛する者の姿をしたものに手出しはできない。
そんな人間を愚かだと蔑んでいる。
エンヴィーの最後は、殺した将校の友の放つ炎に何度も焼かれ、弱っていく。
そして、主人公の鋼の錬金術師(子供)に本当は人間に嫉妬していると見抜かれ、
屈辱だと、また、子供に理解されるなんてと本音を吐いて自ら、力の源の「賢者の石」を身体から取り出して自死する…
感情を無くすことと感情に振り回されないことは全く違う
「お父様」は、人間から悪感情を抜き出したら、完成に近づくと考えたのか、そうではなく、単に冷徹な者となっただけだった。
嫉妬者、エンヴィーは、嘘をつき、ころころとカメレオンのように変わっていく。
そして、常に人間を見下し、憎んでいる。
その本体は、小さく弱く、その本心は、人間に憧れ、人間に嫉妬していた。
それを知られると自分を保っていられなくなり、理解された喜びとともに、自死してしまう。
嫉妬心
嫉妬心を持つ者は、人を見下し、人を欺き、都合で姿を変え、嫉妬している者を憎む。
なんとも示唆的なアニメなんだろうか。
なんとも示唆的なアニメなんだろうか。
人を見下すのは、他を下げることで自分が上がるとでも思っているのか。
他者の評価が上がる下がると、そのことばかり気にしていたら、他が下がるが自が上がるように思えそうだ。
人を欺くのは、虚偽の情報で、欲を満たそうと、自分の評価を下げない、上げるられるとでも思っているのか。
都合でころころ変わるのは、自分は上位で優先されることが当たり前である自分本位の心からか。
嫉妬している者を憎むのは、妬む僻むだけに留まらず、その対象者を破壊し、比較させないためなのか。
奈落を窺き探るような嫉妬心にぞっとする。