子路第十三[一八]
葉公語孔子曰、吾黨有直躬者。其父攘羊、而子證之。
孔子曰、吾黨之直者異於是。父爲子隱、子爲父隱。直在其中矣。
葉公、孔子に語(つ)げて曰く、吾が黨(とう)に直躬(きゅう)なる者有り。其の父羊を攘(ぬす)みて、子之を證せり。
孔子曰く、吾が黨の直き者は是に異なり、父は子の爲に隱し、子は父の爲に隠す、直きこと其の中(うち)に在り。
この章は、親が子のために羊を盗むこと、それを隠すのは良いのか悪いのかの議論があると思う。
法家と儒家の戦いといったところか。
孔子様は、盗むのは悪くないと仰っているのではなく、
父、子のために羊を盗むこと、子はそのことを隠すところの心情は、天に真っ直ぐな気持ちと仰っているのではないか。
行為の良し悪しではなく、心根の中にある正直さについて述べているのだと思う。
父子の情に正直であれと。