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孔子様の弟子、子貢

切磋琢磨

子貢曰く、貧しくして諂(へつら)ふこと無く、富みて驕ること無きは、何如。子曰く、可なり。未だ貧しくして樂しみ、富みて禮を好む者には若かざるなり。子貢曰く、詩に云ふ、切(せっ)するが如く、磋(さ)するが如く、琢(たく)するが如く、磨(す)るが如しとは、其れ斯の謂か。子曰く、賜(し)や、始めて與(とも)に詩を言う可きのみ。諸れに往(おう)を告つげて、來(らい)を知る者なり。 学而第一[十五]

子貢は孔子様より三一歳年下の弟子で衛の国の出身。
言論に長け、商才があり、その財力で孔子様、門人たちを支え続けた。
評価を求め、結果を出し、プレゼンテーション、言葉が巧みで合理的な自信家。

瑚璉

孔子様は、君子は器ならず。君子の存在は、用途、境界に限りがあるような器でない。
しかし孔子様は、子貢のことを器とされ、子貢はさらにどんな器かと聞いた。
孔子様は、瑚璉(これん)という貴重な器とされた。(公冶長第五[四])

過ぎたるは及ばざるが如し、合理的

子貢は自分のことだけではなく、子張と子夏の評価を問うている。
有名な過ぎたるは及ばざるがごとしは、子張が過ぎて子夏が及ばない。
子貢は、告朔(こくさく)の儀式が形骸してもなお、羊がいけにえにされているので、それを止めたいと孔子様に申しでたが、
孔子様からお前は羊を惜しんいるようだか、私は礼が廃れるのが惜しいと言われた。
子貢は形骸化した儀式に意味がないと合理的な判断をしたが、
孔子様は、形式でも続けていれば儀式が礼が復活するとお考えだったようだ。

億(おもんばか)れば則ち屢中(あた)る、できる

子曰く、回や其れ庶(ちか)いかな。屢(しばしば)空(むな)し。賜は命を受けずして貨殖す。億(おもんばか)れば則ち屢中(あた)る。 先進第十一[一七]

顔回は殆ど道に到達せんとするに近い。彼はしばしば経済的な窮乏に陥ったが、それでもなお楽しむところを改めず、分に安んじている。彼は天命を受けずしてその窮乏から免れようとはしない。この顔回に対して賜(子貢の名)は、天命を受けずして、なお自己の財産をふやすことに努めている。この点、顔回とは遥かに修養の深浅を異にしているが、しかしこの賜も、深く思慮をめぐらして物事を考えると、大体、道に中るだけの事は出来る人物である。
一を聞けば十を知る顔回は、貧しく米びつは空になり、子貢は天命を受けていないのに材を増やす。億(おもんばか)れば則ち屢中(あた)る。これは、諸説あるが、市場に流通する商品の量と消費者の要求の動向が分かり、買いだめと放出が上手だったと『史記』に記載がある。
司馬遷の『史記』によると、子貢はその弁舌を活かして外交面でも活躍した。
孔子様一門が陳蔡の厄で、孔子様の才を恐れ、楚に行かせまじと、陳蔡の軍に囲まれ食料も尽きた。
子貢は、楚の昭王を説得して、兵を出して孔子様を迎えに行かせている。
また、魯の国の為に、呉や斉の国と談判してたりしている。
しかし、その弁舌は、『史記』「仲尼弟子列伝」には、子貢は利口で弁が立ったが、
孔子様はいつもそれに批判的だった。
孔子様からあまり評価は頂けなかったが、先の切磋琢磨のところでは共に詩をいうべきのみ。これに往(おう)を告つげて、來(らい)を知しる者ものなり。 とされている。

子貢の評価、返し

諸国の大夫から、孔子様より優れていると言われる程であったが、即座に私の垣根は肩程の高さだが、
孔子様の垣根は高くて中を伺い知れない。孔子様は日月のように拒絶することも損なうこともできないと返した。

子貢の憶い、行い

孔子様の一門を経済的に支え、孔子様が亡くなった後、6年間、喪に服したのは子貢だった。
子貢は心から孔子様を敬愛していたのだと思う。
諸国を巡った時の資金を提供したのも子貢と言われている。孔子様の存在が諸国に広く知られるようになったのも、先に出向き、後に従った子貢の才覚があってのことと考えられる。
 

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