クリスマスは、そこに向かう街の様子が好きだ。街並みの飾り付け、各家からこぼれる電飾や灯り。
小さい時、貧しく、母がバタークリームのケーキを買ってきてくれた。くだものではなく、砂糖漬けの赤や緑のゼリーの飾り、それに下に銀紙が巻かれた色とりどりの細いロウソクを燈すのがうれしかった。メリークリスマスと書いてある薄い板チョコを姉と奪い合った。ほんとは、生クリームにフルーツのケーキがよかったんだけど、そう言えなかった。
学生のころは小物を扱う雑貨屋さんを巡った。クリスマス向けの小物の赤や緑、金や銀飾がかわいい。カードやテープ、文房具なんかの意匠も気になる。
サンタさんの通り路、家に薪の暖炉やストーブが欲しいのだけど、口にするたびに、家をあけて買い物に出られなくなると家内に反対される。薪ストーブはあったまるのになぁ。
庭に小さな炉をレンガで組んだ。たまにそこで煙が少ないものを燃やす。ひそかな楽しみだ。