中耳炎は乳幼児にとって身近な疾患だ。その予防策として注目されているのがプロバイオティクスの摂取だが、その一例ともいえるヨーグルト摂取がどの程度の効果を示すのかは未だ明らかでない。
新たな知見が報告された。東北大学病院の土谷忍氏らの研究グループは、母親と子供のヨーグルト摂取頻度と子の乳幼児期の中耳炎罹患の関連を調査した。その結果、母子ともにヨーグルト摂取頻度が高いほど中耳炎の罹患リスクが低いことが示唆された。
この成果は、咽喉と中耳の直接的な繋がりと、母子間の接触から始まる乳児の喉の細菌叢の形成が、中耳炎の発症に影響を及ぼす可能性を示唆している。つまり、習慣的なヨーグルト摂取が喉の細菌叢に好影響を及ぼし、その結果中耳炎の発症を防ぐ可能性があるということだ。
しかし、土谷氏らは注意を喚起している。具体的に摂取した菌の種類や量についてはまだ調査されていないため、一概にヨーグルト摂取が中耳炎予防に直結するとは言えないとのことだ。そのため、この分野におけるより詳細な追加研究が必要とされている。(ヨーグルトの習慣的摂取は中耳炎予防に有効)