2016年の人気ドラマ「逃げ恥」当時は見ていなかったし、再放送も見ていないが、「恋ダンス」が流行っていたことは知っていた。
Netflixで見かけたので、ちょっと覗き見た。
新垣結衣さんの笑顔に惹かれて、全話見てしまった。
新垣結衣さんの笑顔に惹かれて、全話見てしまった。
25歳で求職中の森山みくり(新垣結衣)は、「誰からも必要とされない辛さ」を感じている。
そんな彼女が独身の会社員、津崎平匡(星野源)の家事代行として働くことになり、その役割で津崎の信頼得る。しかしある事情からその仕事も失いそうになり、追いつめられたみくりは、結婚を提案。結果、真面目な津崎との間で驚くべき契約結婚が実現する。2人は、「雇用主=夫」「従業員=妻」の関係を始め、周囲には秘密にして新婚生活を過ごす。新婚生活をバレずに過ごすことが出来るのか、そして契約結婚の行方はどうなるのか、というのが物語の主な展開。
平匡は、知的な観測者タイプ。当初は雇用主視点で、10話では、みくりとの関係性を収支の損得で考え、合理としたい、けちな男。
みくりは、個性を求める妄想家タイプ。恋人や上司に小言や小賢しい提案をして煙たがられ、社会性、対人関係より、なによりも自分らしくありたい、自分をわかってもらいたい女。
みくりは、個性を求める妄想家タイプ。恋人や上司に小言や小賢しい提案をして煙たがられ、社会性、対人関係より、なによりも自分らしくありたい、自分をわかってもらいたい女。
当然、契約結婚は、新婚さんらしくなく、周囲は疑問に思う。
みくりは、同居の居心地の悪さの解消と周囲に新婚の雰囲気を醸し、疑惑を払拭するために、火曜日をハグの日にしようと提案し、平匡も疑問に感じながらも同意。
互いに敬意と感謝がある二人は、当然の成り行きとして、一緒に暮らし、生活をしているうちに「情」が芽生えていく。
その情は、雇用主と従業員の関係の裡にあるのか、雇用契約という建前の理屈と、お互いに引かれながらも心の壁(自尊感情)に阻まれて、ほんとうのところが見えなくなっていく。
「雇用主と従業員」という契約結婚のシステム、理屈の部分で、平匡とみくりは重なり合うところ(メリット)はあるが…
プロの独身の平匡は、みくりへの情に自分の心の牙城を崩されたくなく壁ををつくり、鎧を纏う…ほど脆弱で強固な「バカ」にされたくない憶い。
みくりは、平匡の心の壁に、私をわかってもらえない… そして舌を噛み切りたくなる自分の発言(過ぎていると自覚はしている)に居心地が悪くなってしまう。
神代のむかしから、女性から声をかけるとどうもうまくいかない。
契約結婚の提案、「ハグの日」もみくりの提案だった。
そして、みくりがさらに思い切って二人の関係性に踏み込んだ発言すると、
平匡は、畏れおののき、逃げ出してしまう。
システムの整合性と収支効率を合理(知的に類推した正しさという錯覚)と考える平匡。
バグ(問題)が発生したら、システムを再構築して、整合性を追求することが正解だと思う。知的であろうとすることに価値をおくところは重なる部分もあるが、異なるタイプのみくりの心、気持ちは、知的だけが大事、というわけではない。
「雇用主と従業員」というシステムの壁を壊すのは、みくりの心情を分からない平匡への「バカ」の一言。
優秀であろうとする従業員は雇用主に感情的に「バカ」とぶつけない。
互いに思いやり、好きであったことを言葉にして、態度(ハグ)に表して確認した。
今度は、平匡がハグの火曜日縛りのルールを壊してしていく。
さらにその向こうへ進む言葉を発し、みくりは、いつもの「はい」ではなく「うん」と応える。(二人は関係性が深まっても丁寧語、敬語で話す)
やっぱり、伊耶那岐命から声を掛けることに意味があったようだ。
しかし、互いを思う気持ちが通じ、結ばれたが、平匡の理屈(責任と収支)とみくりの個性(自分らしさ=自分の価値、労働対価を得ることとその搾取の否定も)の求めるところには行き違いが生じている。
最終回11話は、最高視聴率を記録したが、賛否両論があった。私は、ネガティブ。
私は、その「マル経」の香り漂う理屈っぽさ、みくりは冴えない男に舞い降りた「鶴の恩返しの鶴」かと思っていたら、わたしは人間ですからとその姿を晒した。
人や感情を切り離せるがロマンチストな風見涼太(大谷亮平)のように、もっと夢を見させてよと思った。
わたし的には9話、10話前半がピークかな。
ドラマを離れて、みくり、新垣結衣さんと平匡、星野源さんは2021年に結婚した。
七夕…に相応しい話だっただろうか?