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選ぶと擇ぶ

論語を学ぶ

維摩会 春秋館で仲間と論語を学ぶことがある。
古注、新注、仁斎、徂徠、貝塚茂樹さん、宇野哲人さん、吉田賢抗さん、吉川幸次郎さんを読み込んでから臨むが、論語の解釈は星の数ほどあるので、その他も見ていく。

能楽師の安田登さん

私が興味をもったのは、能楽師の安田登さんの論語の読み方だった。
大学で漢和辞典の編纂の手伝いもしたことがあるそうで、漢字に詳しい。(楔形文字、ヒエログリフ、シュメール語にも)
孔子様が生きた時代の漢字、金文、甲骨文字まで遡り、往時の意味を考えていく。
その手法は、中国の詩人、聞一多さんがはじめたもので、書家として論語を当時の文字で表した。

それまで選ぶと択ぶの違いなど考えたこともなかった。
論語で出てくるのは殆どが「択」で「選」は一つしかない。
何か選ぶと書く時、「選ぶ」を使うが、安田登さんは、それを危ういと言う。
選ぶという漢字のつくりは、己、己と同じものが共の上に二つ並んでいます。共は、生け贄を載せる台。
二つのうちどちらか一つを選ぶということ、はじめから相手から選択肢を与えられて、その狭めらた中から選ぶ、マルチプルチョイス。
この中から選んでくださいは、ちょっと気をつけないといけない。

多肢選択問題

わたし、学生時代、多肢選択問題、結構得意でした。答えを中から選ぶだけだから。
設問文から、答えから、「引っ掛けてあげよう」と手ぐすね引いて構えているのがなんとなくわかった。
例年、皆は部活の先輩から引き継ぐ過去問があって楽勝科目だったが、
帰宅部の私は先輩はいないし、好きな科目だったので、楽しく学んでいたが、
その年は、飲めば飲むほど頭が冴えるという、酔拳使いのような酒好きの教授が飲みながら新問題を作ったから、さあ大変。
間違えの選択肢(「爆弾」と呼んでいました)を一つでも選んだら、解っていないなと再試験。
200人超える学生の中から通ったのは数名、得意満面でしたね、と自慢話はこのへんにして。

漢字の語源の権威

擇(択)は、白川静さんによると、(漢字の語源の権威は、白川静さん、加藤常賢さん、藤堂明保さん等、漢字の起源を調べる時は、この三人にあたる。それぞれけっこう違う。)
擇のつくり(右側)は、獣の屍体が風雨に曝されてグチャグチャになっている状態。
そのグチャグチャの中に手へん(左側)の手をつっこんで大事なものを擇び出すこと。
腐敗した屍体に手を突っ込むのも抵抗があるし、何が大事なことかもわからない状態。
「しかし、そのように勇気をもって大胆に、しかし繊細な心配りをもってする、それが「択」なのです。」と安田さんは言っていた。
今、なんかそんなことをして、きっちり擇ぶことをしないといけない局面かなと感じている。
けど、そこに手を入れるの、やっぱり嫌だなぁ~。でも入れるんだよな~。
繊細な心配りを怠ると変なものを掴みかねないので、気をつけていきたい。
 

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