掌蹠膿疱症(PPP)は、手のひらと足の裏に無菌性の多発性膿疱が現れる皮膚疾患で、痂皮や落屑、ぼんやりとした紅斑も見られる。
靴の摩擦部位で皮疹が起きるケブネル現象が特徴で、かゆみは膿疱ができる前に感じられることが多い。
皮疹は片側性や手または足だけに出ることもある。膿疱や水疱が次第に変化し、小さな膿疱が水疱内にできる膿疱化水疱も見られ、経過が長引く。
爪や骨関節にも症状が現れる場合もあり、病巣感染として扁桃炎や歯周炎が関与すると言われている。
日本では約14万人が罹患し、中年の女性や喫煙者に多く見られる。他の疾患との鑑別は乾癬、皮膚炎、湿疹、白癬、膿疱性毛包炎などが挙げられる。(日経メディカル)
昔は、前橋賢医師のビオチン、ミヤリサン療法だった。今は、先ず禁煙。八割の患者さんは喫煙歴ある。病巣感染、扁桃炎や根尖病巣の治療からみたいだ。歯の金属アレルギー説は、昔から言われていたが、積極的にはされていないようす。
対症療法も進んでいるのだろう。新薬のトレムフィアが保険適用になった。
掌蹠膿疱症は、手足、局所だけの疾病ではなく、病巣感染が関わる全身に影響する免疫疾患のようだ。
十年一昔、病態も解明され、治療法も進化しているのだと思う。