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「人間の意識がある」という状態が、脳の水分子が示す現象と深く関係している

系統発生

解剖学・生理学では、系統発生的に古い脳である脳幹網様体が意識の賦活系(覚醒を維持する脳内の機構)であるとされている。
その中で意識が清明な時の思考の発火点は間脳あたりだったかな?と曖昧な記憶。

細胞膜

生理学の教授が、ほぼ細胞膜、分極と網様体の話しかしなかった。
学生実習は、100から7を引き算していくみたいなことしている最中に、いきなりおでこに氷水が入った氷嚢をあてて、計算し続けられるかとかやっていた。
想像通りのことしか起こらない。皆、「あ~ん」となってしまい計算し続けられないのを実感する。迷走神経の反射や暗算に脳幹網様体が関与しているからだという。

網様体

網様体から大脳へニューロンを介してのフィードバック系は存在しない…らしい。刺激を伝える上行性投射があるが、興奮系。
言い換えると外部からの刺激を受けての上行性の投射はあるが、自発的な思考等の脳全体の(人の)意識を保つニューロンネットワークはない。 ニューロンネットワークではなく、他の制御機構が作用していると考える方が自然。

中田力氏の渦理論

脳の形成(だけでなく)に全体の青写真(遺伝情報として)はなく、自己形成に関与しているのは、単純な物理法則(熱対流等)であるとしている学者がいた。
新潟大学の故中田力氏という脳科学者は、「脳機能はニューロンネットワーク単位で作り上げられる」という脳科学のセントラルドグマに「恒常状態」と「形態」という切り口で論を唱えている。
学習:フィードバック機構 小脳の出力系統であるプルキンエ細胞には登上線維が抑制(学習)の作用し自己制御している。 大脳には同様な抑制(学習:フィードバック)系のニューロンはない。また、大脳で処理される視覚や聴覚の外部入力に対する反応は、ニューロンネットワークで説明がつくが、自己発火(自らが生み出す思考)についてはニューロンネットワーク単位で説明がつかない。
このニューロン単位で説明がつかない大脳の制御(意識・思考も含めて)の仕組みを中田氏は「渦理論」で解き明かした。

熱対流による自己形成

形態 また、脳の形態は熱対流によって自己生成された。ガイドワイヤー役のラジアル繊維が子宮内の姿勢の変化(重力の変化)に関わらず、(脳の形態が重力に従っているのなら、姿勢によって「いびつ」になりそうだ)脳内の熱対流に沿って伸びて行き、そのガイドワイヤーにそって神経細胞が伸びて六角形、六層のカラム、ニューロン単位を形成した。
熱にそって下からワイヤーが伸びてくるくるっと巻いてカリフラワーみたいな脳が形付けられていく…なんかイメージしやすい。 そのガイドワイヤー(ラジアル繊維)はやがて消失し、ガス(CO2)で満たされた空所が残る。その熱対流等で出来た空所(スポンジ構造)が熱放出のルートにもなる。
大脳のフィードバック機構 頭蓋内の脳脊髄液に浮かんだ脳とその中心の脳室(外(クモ膜下腔)と中心(脳室)の液体の交通が脳の中心に応力が集中することを避ける)は外力の衝撃から脳を護っている。 脳全体を水が包み込み、その水分が大脳の制御機構を担っているとの中田氏の説明。
カラムの最上層(最外層)に大脳の出力ニューロン、錐体細胞の樹状突起と相対して電子密度の高い層:ELDER(Electron-dense Layer and Dendritic Ramification)がある。 中田氏は、ELDER の全体をLGS(Lattice Gas Shell)とも呼んでいる。
この層の水分(導体)やガス(不導体)の密度が熱対流等により変わることによって、出力の抑制が掛かり、ちょうど小脳で抑制(学習)的に作用する登上線維の役割を果たすと田中氏は考えた。

脳全体に広がる波

大脳のコラムにある鉛筆の芯に相当する空所(ラジアル線維が抜けたところ)に中脳網様を熱源とする音波と渦波が発生し、コラムの最上層の出口から水の波紋のように波が脳全体に広がり、その渦波によって意識が保たれている… 絵になっている。
ガスは直接、脳・意識に作用する そう、麻酔は作用機序が分かっていないが、脳にばっちり効く。全身麻酔薬は気化して使ったり、そのものがガスであったり、お酒などのアルコールも揮発性。 飛行機に乗って気圧が下がるとさらにお酒が効くことは皆も体験していることかもしれない。

気功

私は、維摩會 春秋館で気功を習っているので、中田氏は『気』について語っていたのかと、「あっそうか」と久しぶりにクオリア体験した。 熱対流によって肉体が自己形成されたという説明(気が事象に先行する)、さらに脳の中心部に熱源があり、その熱対流が脳全体を制御しているという説明は、気は生体エネルギーであり量や質を伝える媒体になると体感していたので、アハーと思った。

 

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