物理学者はこの世の四つの力(電磁気力、強い核力、弱い核力、重力)の解明を目指した。
物理学者が、美しさ、対称性を追求して素粒子から宇宙、ビッグバンとブラックホールまで追求していくストーリーが興味深かった。南部陽一郎氏の発想が凄い。
英国のディラック、数式の対称性を求めると整合性がとれ、性質を表すことができる。
・回転対称性、並進対称性、ローレンツ対称性(時間と空間は同じものと考える)
・回転対称性、並進対称性、ローレンツ対称性(時間と空間は同じものと考える)、ゲージ対称性(ゲージ:ものさしを変えても変化しない)の4つを満たした数式を発表する。
ここで電子のエネルギーが「無限大」という問題が出てくる。
この解決できなかった問題を戦時下に、日本の朝永振一郎が「繰り込み」の手法で解決する。
●さらにヤンの数式を追求すると、力を伝える粒子だけではなく、基本素粒子の電子、ニュートリノ、クオークも数式上は質量がゼロになった。
●南部陽一郎氏は、「自発的対称性の破れ」、数式、設計図に対称性があっても、現実に対称性の破れが起きてもよいと発見した。「完璧な美しさは崩れる運命にある。」この理論では、クオークの重さの獲得について説明がついたが、強い核力を感じない電子やニュートリノなどの重さの獲得は説明できない。
●ワインバーグは、数式に架空のヒッグス粒子を持ち込むことによって、「自発的対称性の破れ」がおこり、電子やニュートリノなどに重さを獲得した。スイスにあるセルンの巨大加速器でヒッグス粒子が発見され、素粒子、電磁気力、強い核力、弱い核力を説明した標準理論ができあがる。
●ホーキングは、ブラックホールの奥底では、奥底から距離がゼロになると空間の歪が無限大(D=1/03 )となってしまうので一般相対論が適応できないことを示した。
●ロシアのブロンスタインは、素粒子論と一般相対論を極小空間を想定して、数式上で統合しようとしたが、無限大が無限大に発生し解決できない。
●米国のシュワルツとシャークは、ひも理論によって無限大の問題を、粒子が点ではなく(点は距離ゼロだと無限大が発生する。粒子は重なり合えない。1/0=∞)ひもであるとして解決したが、当時の実験結果、重力子の重さがゼロとならず、数学的矛盾も含み、また10次元を想定しないといけないので他の物理学者から相手にされない。
●英国のグリーンと米国のシュワルツは、一般相対性理論と素粒子の数式を超弦理論の数式で表すことに成功した。そのときに雷鳴があり、完全数496が表れ、数学的矛盾は解消した。
●ホーキングのブラックホールの謎の熱、蒸発(ホーキングパラドックス)について、ポルチンスキーが弦理論の膜化(Dブレーン)によって、ブラックホールの奥底で四次元では点状に折りたたまれた十次元の膜内の弦の振動で発熱することが解明され、ホーキングも認めた。
●超弦理論は、その後、5バージョンに増えてしまったが、エドワード・ウィッテンが、M理論で統一した。
膜を1次元加えて11次元とし、電磁気力、核力は膜に弦の端がついていて、力が強く作用し、重力は膜についておらず弦はリング状となって、異次元に逃げていくので、他の3つの力に比べて重力ははるかに小さい。この異次元に逃げていく重力をヒッグス粒子を発見したスイスのセルンの加速器が発見しようと実験している。
あ〜あ、カイラル対称性の話が書き漏れている。