随分と下顎が出ている。白人さんか…
ビスホスホネート製剤やデノスマブなどの骨吸収抑制薬による顎骨壊死に関する通説は、これらの薬剤を服用している際に抜歯が行われる際は休薬が必要であるとされてきた。しかし、2023年7月に、日本口腔外科学会や日本骨粗鬆症学会など6つの学会が「薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023」を公表し、これまでの認識を覆す提案を行った。
顎骨壊死は、顎骨が局所的に壊死し、骨が露出する病態であり、原因としてはう蝕や歯周炎などが挙げられている。リスク因子には骨吸収抑制薬や感染症、口腔衛生の不良、侵襲的歯科治療、全身状態の悪化が含まれており、これらの因子が組み合わさるとリスクが高まる。
骨吸収抑制薬の一種であるビスホスホネート製剤は、主に骨代謝(リモデリング)を阻害することによって骨密度を増加させるが、これが顎骨壊死を引き起こす機序は不明確である。また、これまでの通説では抜歯時には薬剤の休薬が推奨されてきたが、これに対して疑問視する声もあり、特に休薬による予防効果についてはエビデンスが不足しているとされている。
医師や専門家の中には、休薬によってむしろ悪影響を及ぼす可能性があるとの見解もあり、休薬期間中に歯科処置ができないことが感染の進行を招く可能性があると指摘している。一部の医師は、ビスホスホネート製剤の特性から休薬の根拠が不足しているとし、大腿骨近位部においては休薬によって骨密度が速やかに低下し、骨折リスクが高まる可能性があると述べている。
これらの議論を踏まえ、2023年のポジションペーパーでは、抜歯時の休薬が顎骨壊死の発症予防に有効である十分なエビデンスが得られなかったとして、「原則として休薬しない」方針を採用することが提案されている。(日経DI 12月20日)
小さな炎症でも長い間放っておくとよくないのだね。炎症の傍らにすでに骨壊死があって、それが放っとかれて増悪するって考えてなかったな。
骨のターンオーバーと抜歯が関わるなにか特別なことだと思っていた。