紙の箱をたくさんつくった。型紙からだから、山に折ったり谷に折ったり、折り目通りに折ればいいだけなんだけど、はじめて作る時は、よくわからない。これは、下に挿み込んで固定するんだ。この帯は中途半端に上がっていると収まらないで、折り目でないところが折れてしまう…などなど
友人で箱作りがうまい人がいる。その人の折っているところは見ていないが、折る音は聞こえていた。たぶん、両手を上手に使って折って組み上げているのだろう。織機のような音がリズミカルで小気味よい感じだ。
その人の出す音に近づけるように素早く親指の腹で一気に折ったり、両人差し指を谷に向かって同時に差し挟んだり、左右の帯を同時に内側に曲げる。爪に近い指先を細い折り目に沿わして少し持ち上げて上の折端を下に挿んで止める。そんな手仕事の組み合わせで箱は出来上がる。意外に楽しい。集中すると瞑想状態にまでなり得ると思う。
段々と速くなってきたが、友人にはまだ及ばない。