日本の量子科学技術研究開発機構(QST)は、那珂核融合研究所にある核融合超伝導トカマク型実験装置「JT-60SA」で、2023年10月23日に初のプラズマ生成に成功した。この装置は、国際熱核融合実験炉(ITER)計画を支援する「幅広いアプローチ(BA)」活動の一環で、日本と欧州が共同で取り組むものであり、海外が日本の研究開発装置に大規模な資金を投資する初めての例となっている。これは、日本が主導する国際プロジェクトの重要な成果であり、核融合開発における世界的な競争において注目されている。
「JT-60SA」の建設と運転は、2007年から始まり、初のプラズマ生成に向けて試験運転が進められていたが、2020年にトラブルが発生し中断されていた。この問題に対処するために、QSTは欧州連合(EU)の事業体「F4E」と協力し、改修作業を行い、2023年5月から再び統合試験運転を行っていた。
核融合は、軽い原子核を融合させて重い原子核に変換し、その際に発生する大きなエネルギーを利用する技術である。高温プラズマの効果的な閉じ込めが技術的な課題であり、「JT-60SA」は約マイナス269℃で冷却された超伝導コイルを使用して、1億度にも達するプラズマを制御している。
今回の初プラズマ生成により、「JT-60SA」は2008年以来15年ぶりに日本国内のトカマク型装置が再稼働した。QSTは、「JT-60SA」で得られた成果をITERや将来の原型炉計画に活かし、核融合エネルギーの早期実用化に向けた研究開発を進める中核的な拠点としての役割を果たしていく意向を示している。
核融合、ロマンを感じるなぁ。トカマク型、ヘリカル型、ステラレーター型、ミラー型、昔、ブルーバックスの『核融合への挑戦』読んだなぁ。高校ぐらいの時は無機化学というか、周期律表が好きだったなぁ。