友人のランクルでEurekaを抜けてSamoaの海岸に行ったことがあった。砂漠のような海岸と飛行場の跡地のような直線道路があった。
彼はガンマニアなので、そこでライフル(Mini-14)、ショットガン(2連)、ハンドガン(Gold Cup,357マグナム)を撃っていた。
ひとしきり遊んで、さあ帰ろうかというとき、エンジンがかからない。ガス欠だ。周りに人はいないし、そのころは携帯電話もない。あってもたぶん電波が届かないようなところだった。
友人は街までガソリンを買いに行くから、車を見ていてくれという。歩くとけっこう距離がある。街まで4,5マイルぐらいあるかも、往復で3時間ぐらいかかるか。
周りは砂浜だけだから、風の音だけした…風の音しかしなかった。バッテリーがあがってもいけないので、ラジオもつけていない。
長袖のネルシャツを着ていたから、夏ではなく、初秋から晩秋かという季節。寒くはなかった。今ならちょうどいい瞑想タイムなのだけど、たぶん、考え事をして過ごしていた。
じっと3〜4時間ほど待った。走れメロスじゃないけれど、本当に戻ってくるのかと思えるほどだった。喉も渇いてきた。
だからか、コンビニだらけのこの世の中に、いまでも自分の車に5年保存水や非常食を少しでも載せているのは、こういうことがあったからかもしれない。
だからか、コンビニだらけのこの世の中に、いまでも自分の車に5年保存水や非常食を少しでも載せているのは、こういうことがあったからかもしれない。
友人がオイル缶を下げて帰ってきた。途中で乗せてやると車から声がかかったが、ガソリンが入った缶を見せて、お断りしたそうだ。むちゃな男だったが、そういうところは律儀だった。
彼が福岡で結婚式をしたときに呼んでくれ、ホテル、飛行機代も出してくれた。地元の友達もたくさん祝いに駆けつけていたが、私が行ったことも喜んでくれた。