米国では、人口の4〜22%が慢性不眠症とされ、認知行動療法(CBT-I)が有効で安全な治療法とされています。しかし、CBT-Iは複数の要素から成り立っており、どの要素が効果的かは不明です。東京大学病院の研究者らは241のランダム化比較試験を対象にし、システマチックレビューとコンポーネントネットワークメタ解析を行いました。その結果、「不眠症に対する睡眠衛生指導は効果がなく、リラクゼーションは逆効果かもしれない」とJAMA Psychiatryに報告しました。
CBT-Iは教育的要素、認知的要素、行動的要素などから成り立っており、各要素の効果が不明確で治療負担の低減や効果の最大化が難しいとされています。研究者らは241のRCTを対象にし、認知再構成、第三世代、睡眠制限、刺激統制が効果的であると結論づけました。一方で、睡眠衛生指導や建設的心配は効果が見られず、リラクゼーションは逆効果かもしれないと示唆されました。
治療提供方法においては、セラピストによる対面提供が最も有益であると結論づけられました。また、睡眠持続性に関する解析では、認知再構成、第三世代、対面提供が睡眠の質の向上に寄与し、睡眠制限は質、効率、中途覚醒に効果が見られました。
研究者らは未知の交絡因子の影響を考慮しつつも、「成人の慢性不眠症患者に対するCBT-Iでは、認知再構成、第三世代、睡眠制限、刺激統制を対面提供することが有益であり、一方でリラクゼーションは逆効果かもしれない」と結論づけ、今後の効果的で効率的なCBT-Iプログラムの開発が期待されると述べています。(メディカルトリビューン)
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リラクゼーションっていう言葉だけだと抽象度が高すぎてどのような行為を指しているのかよくわからない。
感覚的には、睡眠は心身を休めて回復させることで、リラクゼーションも休んで回復させる行為の一部だと思うが、リラックスすることが不眠症に有害とは意外だ。
眠るためには、起きてる時はシャッキと活動してろよ、休み過ぎてはダメということか?