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歯磨きは入院患者の肺炎リスクを低下させる

新しい研究によれば、院内肺炎(HAP)は入院患者に発生する肺の感染症で、死亡率の上昇や入院期間の延長、医療費の増大などを引き起こす可能性があります。しかし、毎日の歯磨きがHAPの発症リスクを低減できることが示唆されています。特に集中治療室(ICU)に入室した患者では、歯磨きにより死亡リスクが有意に低下する傾向も見られました。

この研究は、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院内科のMichael Klompas氏と米ハーバード大学医学大学院Population Medicine分野のSelina Ehrenzeller氏によって行われ、結果は「JAMA Internal Medicine」に掲載されました。研究では、毎日の歯磨きがHAPの発症リスクや患者の転帰に与える影響を調査するために、1万742人の対象者を対象にした15のランダム化比較試験が行われました。

結果として、毎日歯を磨いた患者ではHAPの発症リスクが有意に低下し、ICU入室患者では歯磨きにより死亡リスクも有意に低下することが示されました。特に人工呼吸器を装着している患者では、歯磨きによるHAPの発症リスクの低下が顕著でした。また、ICU入室患者では歯磨きを行った患者は、歯磨きを行わなかった患者と比較して人工呼吸器装着期間とICU入室期間が有意に短縮していました。

研究チームは、口腔内の細菌が気道に吸い込まれて肺に感染することが肺炎の原因であると指摘し、毎日の歯磨きが口腔内の細菌量を減少させ、肺炎の発症リスクを低下させる可能性があると述べています。彼らはまた、今回の研究が主にICUで人工呼吸器を装着している患者に焦点を当てていたものの、歯磨きの肺炎予防効果は他の入院患者にも適用される可能性があると強調しています。(メディカルトリビューン

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口歯清掃による誤嚥性肺炎の罹患率の低下を含めて、そうだよねとしか言いようがない。

 

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