2024年5月31日から6月2日にかけて、第24回日本抗加齢医学会総会が熊本城ホールで開催される。大会長の尾池雄一氏によれば、抗加齢医学は未来の若返りを追究し、健康寿命延伸を目指す学問であり、総会では最先端の研究成果を議論し、実学創造の一新紀元を目指すと述べた。
日本抗加齢医学会は医師、歯科医師、医学研究者、薬剤師、看護師、栄養士など多様な職種から構成され、建築や環境などの専門分野も参画するユニークな学会である。総会では20以上の専門領域からなるプログラム委員会によるシンポジウムが企画され、人工知能とアンチエイジング、宇宙での生活、世界の長寿地域など多様なトピックが取り上げられる。また、会長企画シンポジウムでは健康長寿の鍵、ミトコンドリア研究、炎症老化、老化を予測・制御する最先端研究が焦点となる。
総会のテーマは「実学創造~老化制御の一新紀元~」であり、抗加齢医学の成果を社会に還元し、正しい応用を追求する志が込められている。特別講演や海外招聘講演も行われ、抗加齢医学の正しい理解と社会応用に関する教育的セッションも用意される。
少子高齢化が進む日本では、抗加齢医学の社会応用が重要であり、総会ではその必要性が考察される。また、熊本での開催では地元の豊かな自然や歴史を体験する機会も提供される。(メディカルトリビューン)
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われわれの体には、約200種類からなる数十兆個の細胞があり、細胞が健康に機能するためには、数百から数千個のミトコンドリアが必要。しかし、ミトコンドリアが損傷されると、活性酸素が生成され、遺伝子の損傷や炎症を引き起こす。その結果、ミトコンドリアを含む細胞の機能が損なわれ、組織や臓器の機能も障害され、個体の老化が急速に進むことが分かっている。
ミトコンドリアの研究は興味深い。