中国浙江大学医学部のJie Chen氏らは、娯楽で画面を見ている時間と身体活動と24種類の消化器疾患との関連性を調査しました。その結果、スクリーンタイムが長いと16種類の消化器疾患のリスクが増加し、一方で身体活動が多いと8種類の疾患のリスクが減少することが報告されました。この研究は、2024年4月6日のeBioMedicine誌に掲載されました。
従来の観察研究では、身体活動が多いと消化器疾患のリスクが低下することが報告されていますが、これらの研究では交絡因子を排除できず、因果関係を確定することができませんでした。そこで、著者らはメンデルランダム化解析を用いて、因果関係を調査しました。
メンデルランダム化解析は、遺伝子変異を操作変数として用い、因果関係を推論する手法です。この研究では、座りがちな生活スタイルと活動量に関連する遺伝子変異と24種類の消化器疾患リスクを調査しました。その結果、座りがちな生活スタイルは多くの消化器疾患のリスクを増加させ、身体活動が多いとリスクを減少させることが示されました。
さらに、BMI、ウエストヒップ比、2型糖尿病、空腹時インスリンが座りがちな生活スタイルと消化器疾患の関係をどの程度説明するかを検討しました。同様に、これらの要因が身体活動と消化器疾患の関係にどのように影響するかも調査しました。
この研究から、座りがちな生活スタイルが多くの消化器疾患のリスクを増加させる一方、積極的な身体活動はリスクを減少させることがわかりました。これらの結果は、座位時間を短縮し、積極的に運動することが健康上の利益をもたらすことを示唆しています。(メディカルトリビューン)
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昨日、 「長時間坐位でもコーヒー摂取で死亡増加せず」を紹介したけど、やっぱり、よくないみたいだ。立って歩こう。