スキップしてメイン コンテンツに移動

世界初、単一光子の形状を可視化することに成功 – バーミンガム大学が量子光学の新理論を発表

バーミンガム大学の研究者たちは、単一光子の正確な形状を初めて定義することを可能にする新しい理論を開発し、量子レベルでの光と物質の相互作用に関する理解を革命的に変える可能性があるという画期的な研究が、Physical Review Lettersに発表されました。

量子光学の最近の進展により、研究者たちは複雑な光子構造を可視化し、光の本質に対する前例のない洞察を提供しています。オタワ大学の科学者たちは、二重光子デジタルホログラフィーと呼ばれる技術を開発し、2つのエンタングルされた光子の波動関数をリアルタイムで可視化しました。この方法は以前のアプローチよりも指数関数的に速く、量子エンタングルメントを捉えるのに数日ではなく数分しかかかりません。

一方、バーミンガム大学の研究では、光子の形状を定義するだけでなく、環境要因がその特性にどのように影響を与えるかも明らかにしました。この研究は、光子の色、形状、および放出の可能性が、その周囲の幾何学的および光学的特性によって影響を受けることを示しました。これらの光子構造の可視化と洞察は、より効率的なセンサー、太陽電池、および量子コンピューティングシステムを含む改良された量子技術への道を開いています。

フォトンの形状に関する新しい理解は、以下のような技術分野で大きな利益をもたらす可能性があります:

量子コンピューティング

フォトンの形状と振る舞いを正確に予測・制御できることで、光を用いた量子ビットの実装や量子情報の伝送に新たな可能性が開かれます[3]。より安定した量子演算システムの設計に貢献し、量子コンピューティングの発展を加速させると期待されています[1][3]。

高感度センサー技術

フォトンと物質の相互作用を精密に制御することで、これまでにない高感度な検出システムの開発が可能になります。病原体の検出や分子レベルでの物質同定など、より精密な計測技術の実現につながる可能性があります[3]。

量子暗号通信

フォトンの複雑な形状を利用することで、より安全なデータ転送や量子暗号通信システムの開発が期待されます[5]。

高効率太陽電池

光と物質の相互作用に関する新しい知見は、より効率的な太陽電池の設計に応用できる可能性があります[3][6]。

ナノフォトニクス

フォトンの形状と環境との相互作用に関する理解が深まったことで、新しいナノフォトニックデバイスの開発が促進されます[1][3]。

分子レベルの化学反応制御

光子と物質の相互作用を正確に理解・予測できることで、光を用いた化学反応の精密制御が可能になります。これは新しい材料合成プロセスの開発や、より効率的な化学反応システムの設計につながる可能性があります[3]。

これらの技術革新により、量子技術の実用化が加速し、さまざまな分野で大きな進歩がもたらされると期待されています。

Citations:

[1] https://ex-press.jp/lfwj/lfwj-news/lfwj-science-research/63604/

[2] https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2024-11-01-002

[3] https://xenospectrum.com/worlds-first-success-in-visualizing-the-shape-of-a-single-photon/

[4] https://news.gearsoffuture.com/home/quantum-breakthrough-defining-the-shape-of-a-photon-for-the-first-time

[5] https://www.sciencedaily.com/releases/2021/05/210504112529.htm

[6] https://www.gadgets360.com/science/news/research-reveals-photon-s-shape-advancing-quantum-physics-7063517

---

光子の形状まで分かるようになったのか、すごいね。
これでまた量子コンピューターの実用化に一歩近づくんだね。
量子コンピューターなにが凄いって、処理速度が飛躍的に速くなるけれど、
100個の量子ビットがあれば、1030、300個あれば1090という桁数を表現できる。
1090個は、全宇宙の原子の数よりも多い数字。
つまり、たった300個の量子でも、全宇宙の原子の数よりも大きな数字を表現できることになり、これによって驚異的な並列処理が可能になる。
どんなに凄いことになるのか、想像もつかないなぁ。

このブログの人気の投稿

4時間離床すると嚥下機能を維持できる

離床時間と筋肉量 65歳以上の要介護高齢者90例を対象に離床時間と全身の筋肉量および摂食嚥下機能の関係を検討する横断研究を実施。 その結果、離床は摂食嚥下リハビリテーション(以下、リハビリ)として有効であり、 4時間以上の離床では摂食嚥下機能が保たれ、さらに6時間以上で全身の筋肉量が保たれることが示された。(東京医科歯科大) 最低4時間の離床で嚥下機能維持 飲み込むことと全身の筋力 摂食嚥下機能は、口腔周囲の摂食嚥下関連筋群だけでなく、背筋など体幹の筋肉量や筋力と関連することが知られている。 健常高齢者では、運動により体幹の筋肉や摂食嚥下関連筋群の機能低下を防ぐことが嚥下障害の予防と改善に役立つ。 しかし、日常生活動作(ADL)が低下した高齢者は、摂食嚥下機能を維持するための運動を行うことが困難であり、 看護師やリハビリ・介護職員の介助により身体を動かす機会も限られる。 摂食嚥下リハビリテーション学分野の戸原 玄教授談 「ADLが低下している要介護高齢者に対する摂食嚥下リハビリとして、離床の有効性が示された。 具体的な目標設定としては、離床時間が0~4時間では車椅子上で食事を取ること、4~6時間では食事や生活動作以外の余暇時間も車椅子上で過ごすことなどが挙げられる」と結論。 重力を味方に 口から物を食べることにはたくさんの筋肉が関与する。 身体を起こし、足、胴体で支え、重力に逆らい姿勢保持して体幹(コア)の筋肉を働かせる。 上顎の歯列を水平に保つように頭を立て、指、手、腕を使って食物をつかみ、口まで運ぶ。 顔面の筋肉で食物がこぼれぬように口を、頬をすぼめ、 上下の歯を道具に咀嚼筋(咬筋、側頭筋、顎の動きに関係する翼突筋郡、舌骨上筋群)を使い、下顎は、長楕円形のチューイングサークルを描きながら食物を切断し細かく砕く。 下顎骨は、両端に関節を持つ特殊な構造だ。ただ開閉の蝶板運動をするだけではない。 翼突筋郡に引かれ、顎関節窩内で、関節円盤を伴って前下内方にスライドして動く。 口腔内では、唾液で食物を濡らし、舌を使い塊にする。食塊を舌の背で口の奥に運ぶ、舌筋郡、頬筋などを使う。 喉の奥の口蓋や咽頭の周囲の筋群、食べ物を気管に入れないように甲状舌骨筋が喉頭蓋を閉じ、食道から胃に送る。 食事、嚥下することは動物の生命活動の基本。 実に巧みに多くの筋肉郡が連動して働く。 筋肉運...

思いつく動物名の数で転倒リスク予測

岐阜大学大学院消化器内科学分野の研究者らが行った横断研究によれば、肝硬変患者はサルコペニアやフレイル、肝性脳症などの影響により、転倒リスクが高まることが示唆されています。この研究では、肝硬変患者94例を対象に1分間に動物の名前を挙げるアニマルネーミングテスト(ANT)を実施し、その結果と転倒および骨折歴との関連を調査しました。 研究によれば、ANTの成績が低い(中央値11 vs. 18、P<0.001)肝硬変患者は、転倒または転倒による骨折歴がある患者と比較して有意に多く、特にANTが11以下の場合には転倒や骨折のリスクが高まることが示されました。また、女性、KPSスコア(全身状態評価)、およびANTが独立して転倒と関連しており、骨折についてもANTが独立して関連していました。 これにより、ANTは肝硬変患者の転倒および骨折リスクを評価する際に有用であることが示唆され、ANTの利用が肝硬変患者のケアや予防に役立つ可能性があるとされています。( メディカルトリビューン )  --- 豹にトラにライオン、猿にオラウータン、チンパンジー、クジラにシャチに イッカク… 買い物ブギ?ジャングル・ブギ?状態になってきた。

トレッドミル

公共のスポーツ施設で少しだけ走った。なんせ前期高齢者割引で、シャワー付きで1時間50円だった。安い! 昔は、行かないのに風呂、サウナ・プール付きのスポーツジムに家内と二人分、大金を何年も落としていた。きっとそれでトレッドミルが買えた。 今回は7km/hで30分だけ、斜度なし。普段全く走ることはないからキツかった。カロリーは220kcal消費、距離は3.5km。歩数はさほどかせげず8000歩程度か。 コンスタントに走るようにして、目標に到達したい。