こころの時代
随分と前に、ラジオを聞いた。朝と言っても早朝4時ごろ、NHKのラジオ第一 で「こころの時代「園長先生のひとりごと」幼稚園園長…小塩節さんを聞いた。ラジオを聞くでもなしに流していると、「茗荷谷」「御茶ノ水女子大」と懐かしい地名が聞こえてきた。小学校の頃、御茶ノ水女子大近くの教育センターへ理科の実験授業の為に通っていた。大学の前に上品な老夫婦(英国調)がやっておられたパン屋というか喫茶店というか今で言うオープンカフェがあった。そこでホットドックとコーヒー(MJBのグリーン缶)を頂くのが楽しみでよく通っていた。(なんと生意気な小学生でしょう)懐かしさも手伝って少し聞き入っていると、乳児に胃潰瘍があるとドイツ文学者が語っていたのを興味深く聞いた。なぜ、乳児に胃潰瘍でできるかと言うと、口腔内のピロリ菌の関与とストレスが原因だそうで、乳児の時の記憶に乏しい私は、乳児がストレスを感じていることに少し驚いた。
カンガルーケア
保育器に入れられている乳児は、外界と隔離されている為ストレスで胃潰瘍できる。母体にいた時は羊水に守られ、いつも母親の心音が聞こえていたのに、体内環境と大きく異なる保育器に入れられ、それがストレスになり胃潰瘍ができる。薬物療法も試みられているが、乳幼児の薬量は難しく治療効果も上がらなかったところ、画期的な療法がここ数年で確立されたと話していた。それが、「カンガルー療法」で授乳時にただ栄養として母乳を与えるのではなく、子供を母親のお腹の上にのせ(カンガルー療法の名の由来)、皮膚を密着させ肌の温もりを伝え、心音を聞かせ、乳児に語りかけることによって胃潰瘍の治癒率がアップしたそうだ。ああ、やっぱりなという感じだ。人の温もりはホッとさせるものがある。こうした交流が安心感を熟成していくのだろう。こうした温もりを感じることができなかったサイレント・ベビーは長じてコニュニケーションの問題を抱えると言われている。