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カンガルーケア

天使の言葉は出てこなかった

ローマ帝国の皇帝フリードリッヒ二世(1194~1250)は、ある実験を思いつき、修道女、修道士たちに、孤児院にいた乳児に授乳するときに語りかけてはいけないと命じた。
なぜそのような命を出したかというと、フリードリッヒは、子供は天使と信じていて、こちらから語りかけなければ、天使の言葉(ラテン語)で語り出すと思っていたそうだ。
しかし、実験は、結果が出なかった。なぜなら、その語りかけが無かった乳児たちは育たなかった。
皆、語り出す前に亡くなってしまった。

生きるため育つために必要なこと

目を合わせない、語りかけもしないことは、育児放棄、ネグレクト、いや、命を奪う虐待だ。
乳児に目を向けて語りかけることは大事なこと。
大人でも無視をし続けられたら、健康を損なう。追い込まれて死んでしまう人はいる。
周囲の人たちに話しかけよう。話しかけられたら、無視しないで欲しい。
人は衣食(授乳)住だけ生きていくことができない。
温かい眼差しが人の命をつなぎ、育んでいくということか。
早産や正期産で生まれた子に出産後早期に母親が触れ合うことによって絆が深まるといわれている育児ケアをカンガルーケアと言う。もともとは、コロンビアで保育器不足を補うために行っていた。
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カンガルーケアは、赤ちゃんを母親の乳房の間に抱いて裸の皮膚と皮膚とを接触させながら保育する方法です。このケアは1979年に、エドガー・レイ(Edgar Rey)とヘクター・マルチネス(Hector Martinez)という二人の小児科医によって、コロンビアのボゴタで極低出生体重児を対象に始められました。彼らはボゴタで最大の産科病院であるサンジュアン・デ・ディオス病院の特殊新生児室で新生児のケアに当たっていたのですが、そこでは定員過剰、機材不足、スタッフ不足という状態のため、一つの保育器に2~3人の赤ちゃんを同時に収容することも珍しくなく、そのため交差感染の頻度が高く、多数の低出生体重児が感染のために死亡していました。しかも、早期の母子分離によって母子の愛着形成ができないため、たとえ赤ちゃんが退院できても、その後、養育遺棄につながってしまうこともまれではありませんでした。さらに不幸なことにこの国の経済状態が悪化し、新生児医療を継続して発展することがほとんど不可能な状態になってしまいました。発展途上国では、低出生体重児が生まれても専門施設に入院できない場合、おくるみや電熱器・電球・湯たんぽなどを用いて保温を図っています。1979年に彼らは、極低出生体重児を生後数日間だけ保育器内に収容して一般状態の改善を待ったのち、おむつを1枚付けただけの裸の状態で母親または親族の乳房の間に立位で抱かせ、その上から衣類を付けて保温と母乳保育、愛情を児に与えるという、保育器保育にかわる代替方法を開始しました。乳児を胸の中に入れるということは、アンデス、とくにボゴタの地域では昔から行われて育児習慣だったそうです。レイとマルチネスはこの方法がカンガルーの子育てに似ているところからカンガルーマザーケアと名づけ、3要素からなるプログラムを作成しました。
--「カンガルーケア ぬくもりの子育て 小さな赤ちゃんと家族のスタート」
メディカ出版より

日本でも普及していて、指導する産科も多いそうだが、正しいポジションで行い、乳児の低体温を防ぐためにタオルをかけるので、呼吸や肌の色などの変化を見逃してはいけないとのこと。

 

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