手を入れる 擇ぶ
でも、なんでわざわざ腐った屍肉に手を突っ込むなんてことをしたのか。
そこにある宝を擇んだというのか。
そこにある宝を擇んだというのか。
マッコウクジラの体内には、龍涎香という結石があり、古来香料として珍重されたと聞いたことがあった。
商や周の陸地にマッコウクジラもないものだ。
なら、何なのだろうか。
馬糞石は、馬の腸内にできた結石、解毒剤として使われたそうな。
それらは、ポロッとでてきそうだし、
腹に手を入れる価値があるものは、
五黄は、牛の胆嚢や輸胆管内の結石。解熱・解毒の作用があるそうだ。
有名どころだと、熊の胆(くまのい)、胃薬、強心剤、解毒剤として使われる。
なら麝香か、雄の麝香鹿の腹部にある香嚢(ジャコウ腺)を乾燥させて、
香油、薬(鎮静・強心)を有史以前から用いていたそうだ。
麝香、ムスクの香りを嗅ぐと、白い砂浜を思い出す。
ムスク香る白浜
学生の頃は、一月ぐらい下田の白い砂浜にいた。外浦は、遠浅で波が静か、ムスクのコパトーンを塗って、マットの上でプカプカ浮くには最適。
湾内に抱かれて、蝉しぐれと強い日差しが、余計なことを焦がしてくれる。
わざわざ、伊豆半島の先端を擇んだ理由があった。